「本当の沖縄を知る」 沖縄の人が旧正月を大切にする理由。

沖縄県南部の八重瀬町で築300年を超える琉球古民家をリノベーションし、一棟貸しの宿泊施設をみんなと一緒につくる「上江門家リノベーションプロジェクト」。
プロジェクトコンセプトは「本当の沖縄を知る」。今やリゾートとして、多くの観光客が訪れる沖縄ですが、沖縄に古くから伝わる歴史や文化などの、旅行だけでは知ることのできない「本当の沖縄」を体験できる宿泊施設をみんなと一緒につくっています。

当プロジェクトをともに進めるMakikoさんから、この季節の沖縄を感じられる「お手紙」が届きました。沖縄独特の文化と日常のリアルな描写に、たくましい海人の姿が目に浮かび、潮の香りがこちらにまでしてきそうです。
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明けましておめでとうございます。 (ん?お正月終わりましたけど…というツッコミが聞こえてきそうですが、お正月といっても、1月25日(土)は、旧暦の1月1日。沖縄では旧正月になります。続けますね。) 今では、沖縄本島は新暦(1月1日)にお正月をするところがほとんどですが、漁業を営む方も多い海人(うみんちゅ)の町、糸満市やうるま市では、旧正月をお祝いする風習が現在も残っています。 私の今年の新暦の元旦は、琉球王朝時代の神事が行われた”神の島”と呼ばれる久高島へ。 [caption id="attachment_7689" align="alignnone" width="4032"] 2020年1月1日。久高島へ向かう始発の定期船にのるため朝早く訪れた安座間港[/caption] [caption id="attachment_7690" align="alignnone" width="4032"] 久高島の東部にある伊敷浜。島にある草木や石であっても持ち出しは禁止されています。[/caption] [caption id="attachment_7691" align="alignnone" width="1000"] 島には人懐っこい猫がいっぱい。[/caption] [caption id="attachment_7692" align="alignnone" width="1000"] 上門家のような昔ながらの住宅。ゆったりと島時間が流れていました。[/caption] 日本では1872年(明治5年)に旧暦(太陰暦)から新暦(太陽暦)にかわりました。沖縄では現在でもさまざまな年中行事は旧暦をもとに行われるため、沖縄で作られる手帳やカレンダーには「旧暦」の表示がスタンダードです。 ちなみに沖縄では、毎月旧暦の1日と15日には、沖縄の台所にある火の神様「ヒヌカン」やお仏壇のある家では、お供えをして拝む日とされています。 私の実家では「ヒヌカン」と「お仏壇」の両方があって、母親が毎月お供えをするため、旧暦がわかるようなものがないととても困ります。 [caption id="attachment_7693" align="alignnone" width="2315"] 旧暦が表示されている沖縄のカレンダー。六曜や月齢、二十四節気の情報は沖縄の行事にはかかせない。[/caption] 旧暦のお正月は、最高気温26℃の夏日となった沖縄。旧正月らしさを探しに糸満市の漁港へ。 糸満漁港に停泊している漁船には、今年の大漁祈願・航海の安全を願って、色鮮やかで大きな大漁旗を掲げます。 旧暦は月の満ち欠けのリズム。漁業や農業に従事する人たちにとっては、月の満ち欠けによって釣果や豊作が左右されるので、旧暦の月日に合わせて漁を行うのが合理的なのでしょう。 [caption id="attachment_7694" align="alignnone" width="4032"] 糸満市にある糸満漁港。ほとんどの船にカラフルな大漁旗が掲げられている。[/caption] 糸満市の市場。1月24日(旧暦の大みそか)は、市場には正月料理の食材を求めて買い物客で賑わっていたそうですが、翌日は静か。 築50年以上と老朽化が進んでいるため、隣接地に新しい市場が今年4月オープン予定。そのため現在の場所でむかえる大晦日や旧正月は今年が最後となりました。 [caption id="attachment_7697" align="alignnone" width="2364"] 糸満市民の食を支えて50年になる公設市場。今年の4月にはリニューアルが決定している。[/caption] 市場と漁港の次に訪れたのは、糸満市ではおなじみの神社「白銀堂」。 今年の旧正月は週末ということもあり、お年寄りから家族連れまで参拝客が訪れていました。 [caption id="attachment_7698" align="alignnone" width="1330"] 糸満市でおなじみの白銀堂。参拝者がコンスタントに訪れていました。[/caption] [caption id="attachment_7699" align="alignnone" width="2364"] 今年もよい年になりますように。瓦屋根にも沖縄らしさを感じる。[/caption] 10年くらい前までは、新暦の元旦に年賀状が間に合わないとわかると、「沖縄は旧正月もあるから〜」なんて言い訳をして旧正月に合わせて年賀状を送っていた私…。 そんなこともあったなと日頃の行いの反省と、無事に日々を過ごせていることに感謝し、気持ちも新たに、今年もよい年になるよう、せっかく訪れた白銀堂で祈るのでありました。 Makiko(吉川牧子(よしかわ・まきこ) WEB制作 ・舞台制作者 /合同会社 琉球ラボ 代表 沖縄市生まれ。塾講師やコミュニティFM局を経て上京。 J-WAVE、TOKYO FM 、Fm yokohamaなどで活躍するラジオDJプロダクションにてマネージャー兼ラジオ番組制作を経て帰沖。 2009年にアーティストマネジメント、キャスティング、舞台制作事業を行う琉球ラボを創業。琉球舞踊、沖縄芝居、オペラなどの舞台制作やTV番組制作、舞台女優・ラッパー「Awich」のマネジメントを手がけながら、沖縄アーツカウンシル(公財:沖縄県文化振興会)にて3年間で琉球交響楽団等100団体以上の文化活動の相談・支援業務を担当。2017年より法人化し、現在は主に文化・エンタメ分野のWEBサイト制作を中心に、より多くの文化に携わる方の発信サイト制作に力を入れている。 Awich WEB「http://awich.jp」 組踊上演300周年公式WEB 「https://kumiodori300.okinawa」 沖縄アーツカウンシルWEB 「http://okicul-pr.jp/oac/」など 2/29(土)イベント第二弾開催決定!! うちなーぐちから考える、本当の沖縄とは。 ■詳細はこちら https://www.facebook.com/events/226358511712846/ ■お申込みはこちらから https://ewform.enjoyworks.jp/index.php?id=147 ▼プロジェクト最新情報はFacebookページで! 上江門家リノベーションプロジェクト https://www.facebook.com/uejyokerenovationproject/

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